紺碧の地図
「父さんと母さんが危ないぞ?いいのか、助けにいかなくて」
「…何言って…」
「無理だろうな、ゼン。怖いんだろ?」
その言葉に、全身がカッと熱くなるのを感じた。
「…サン、お前だって―――」
そう言いかけた俺は、サンの右腕にあるものを見つけ、言葉を失った。
太陽の刻印。
それが、意味するもの―――…
「―――サン!!」
俺はその瞬間、サンの腕を掴み、その刻印をはっきりと見た。
「…サン、これは…」
「それが何?"ラー"の刻印だけど?」
淡々と事実を言い放ったサンと、この状況。
嘘であって欲しいと思う真実に、このままだと行き当たってしまう。
「…お前…"ラー"なのか」
「そうだよ」
「…この船を襲っているヤツらは、お前の仲間なのか」
「そうだよ」
サンの腕を掴む手のひらに、力が入る。
…お願いだ、サン。
嘘だと言って欲しい。