紺碧の地図

「―――っ、サン!!」


慌てて追いかけた俺は、扉の向こうへ足を踏み出した。


そしてすぐに、後悔したんだ。


「…父さん…母さん…」


父さんも、母さんも。

みんな、みんな。


―――その姿はもう、二度と動かなくなっていた。



「わあぁぁぁぁあああ!!!!」



何が、間違っていたんだろう。

どこで、間違えたんだろう。


出るはずのない答えを、自分自身に問いかける。



ただ、一つ分かったのは。


俺が何かを護るには、弱すぎたということ。


強さに結びつく勇気が、なかったということ。



温かかったこの場所はもう、絶望の闇に囚われてしまった。


"だから生きて、強くなれ。そして俺を…殺しに来い"



「―――サン…」



目を閉じる直前、最後に俺の瞳に映ったのは。





焼けつくように真っ赤な、太陽だった。





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