紺碧の地図
レキとニーナが再び言い合いになり、彼女は困ったように俺を見た。
「もう、ニーナってば…。ごめんなさい、あなたは?」
「あ…ゼン、です」
鼓動が、速まるのがわかる。
「ゼンくん、よろしくね」
―――その笑顔に、もう俺の心は奪われていた。
どうやら俺たちは、ニーナとクレアに救われたらしい。
出されたお茶を口に運びながら、俺は訊ねた。
「…この家には、二人で?」
その問いに、ニーナとクレアは顔を見合わせ、ニーナが口を開いた。
「そうよ。あたしたち、親がいないから」
その答えに、胸がざわついた。
隣にいたレキも、顔を歪ませたのがわかった。
そんな俺たちを、ニーナは様子を伺うように見てから言った。
「…あんたたち、海賊なんでしょ?」
ニーナの言葉に、俺は目を見開いた。
「…何で…」
「倒れたあんたたち見つけたの、海賊船の上だもの」