紺碧の地図
◆最後の烙印
「―――は?」
二週間後。
俺たちはニーナとクレアの手伝いを受け、船を出来る範囲で修復し、同時に食料も集めた。
航海の準備が整い、いざ出発というときになって、俺はニーナの言葉に耳を疑った。
「は?じゃないわよ。聞こえたでしょ?」
怒ったように眉を寄せ、ニーナは腰に手をあてた。
「あたしたちも仲間にしてって言ってんの!」
「………」
「いやいやいや、何言ってんのお前」
言葉を失う俺の代わりに、レキが抗議の声を上げる。
「お前は女だぞ?一応!しかも航海の経験なし!」
「…一応じゃなくても女だけど?」
「いーたたたたたっ」
ニーナは恐ろしいほど満面の笑みで、レキの耳を引っ張った。
「それに経験が何だっていうの?これから学べばいいじゃない!」
「…マジで勇ましいよ、お前」
レキが涙目でそう言うと、助けを求めるように俺を見た。