紺碧の地図
「どうする?ゼン」
レキの問いかけに、俺は少し考えてから口を開いた。
「…二手に分かれて、挟み撃ちにしよう」
敵の数は、圧倒的に多い。
真正面からぶつかるより、挟み撃ちにした方が勝算はある。
…負ける気なんか、さらさらないけど。
俺は船員たちの名前を呼び、二つのチームに振り分けていく。
指揮をとるのは、俺とレキだ。
「…よし。五分後に動き出すから、各自準備に入ってくれ」
バタバタと、忙しなく船員たちが行き交う中、真っ直ぐ俺に向かってくる人物がいた。
「―――ゼン!」
「…クレア」
ニーナからあの話を聞いて以来、クレアの顔を見る度に胸が痛む。
冷静な表情を装い、どこか不満げなクレアを見た。
「…どうかしたの」
「どうしてわたしは、船番なの?」
クレアの言いたい事を理解した俺は、眉を寄せた。
拗ねた表情で、クレアは俺を見上げる。