紺碧の地図
そんなの、分かってる。
俺が護りたいものは全て、消えてなくなってしまうんだから。
「…そうかもしれない」
俺は乾いた笑いを、レキに返すことしか出来なかった。
大切なものを護ることは、俺には何よりも難しい。
…答えが、見つからない。
いつだって、俺には後悔しか残らないんだ。
そう、この時も。
違う判断をしていたら、何かが変わっていたかもしれなかったんだ―――…。
日が沈む瞬間。
それを合図に、俺たちは動き出した。
「いっけぇぇぇええ!!」
反対側にいるレキの雄叫びが、こっちにまで聞こえてくる。
「…っ、何だ!?」
「敵襲だ!! 全員持ち場につけ!!」
俺たちの急な襲撃に、敵は動揺を見せる。
そこを斬り伏せることは容易かった。
「…うっ」
崩れ落ちる体から、剣を抜き取る。
俺はその赤く染まった切っ先を見つめた。