紺碧の地図
俺が反応を見せると、クレアはとびきりの笑顔を浮かべた。
「ゼン、愛してる。…ありがとう」
そう言うと、クレアの体は力を失った。
「…クレア…」
呼びかけても、反応はない。
あの笑顔を、俺はもう…二度と見ることが出来ないんだ。
「―――――っ!!」
後悔が一気に押し寄せる。
クレアの命が僅かだと知った時、どうして俺は何も出来なかったんだろう。
どうして、ずっとそばにいてあげられなかったんだろう。
クレアの笑顔を、命を。
奪ったのは他の誰でもない…俺自身だ。
一番大切なものを、自分で奪ってしまった。
「…クレア」
徐々に熱を失っていく体を、俺は壊れないようにそっと抱きしめた。
この温もりはもう、戻ってこない。
俺は最後に口づけをした。
同時に、心に消せない烙印を残す。
―――俺はもう、光を求めてはいけないんだ…