紺碧の地図
気づけば、私の腕は引っ張られていて。
私の体は、ゼンの胸にすっぽりと収まって―――え?
「!!!!????」
今この状況に、私の頭は瞬時にパニック状態になる。
私…何で?
ゼンに抱きしめられてる!?
「~~~っ、」
どうしようどうしよう。
突然の出来事に頭が追いついていかず、どんどん顔が熱くなる。
―――とくん
僅かに聞こえたその音が、ゼンの心音だとすぐにわかる。
とくん、とくんと規則的に繰り返されるその音を聞いて、私は落ち着きを取り戻した。
ゼンの腕の中が心地よくて、瞳を閉じかけた…そのとき。
「くぉら―――――ッ!!!!」
大声と共に、ゼンの部屋の扉が勢いよく開いた。
「!?」
その姿を見た私は、慌ててゼンから離れる。
「レ…レキ!ニーナッ!?」
そう。
扉の奥には、レキとニーナがいた。