紺碧の地図
辛い過去を話すのは、勇気がいる。
だけどその分…前に進むことができるんだ。
その先に待っているのは―――新しい、希望。
「よーし!こうなったら、俺もぶっちゃけるわ!」
「!?」
レキがゼンと肩を組み、笑いながら言った。
「俺、クレアさんが好きだったんだ」
レキの突然の発言に、ゼンは目を見開いた。
私も驚いて、レキを見つめる。
レキが、ゼンの恋人だったクレアさんを…?
それじゃあ、ニーナが前に言ってたレキの好きな人って…
「ずっと、ずっと好きだったんだ。この世からいなくなった後も、ずっと」
「…レキ」
ゼンの苦しそうな表情を見て、レキは笑った。
「ばーか、ゼン。謝ったりすんなよ?俺が勝手に好きだっただけだ」
「………」
「最初は、クレアさんを護りきれなかったゼンを、多少は恨んだ。…けどさ、お前の話聞いて考え直したんだよ」