紺碧の地図
…この気持ちは、私の胸にしまっておかなきゃダメ。
口に出したら、もう後戻りができなくなる気がするから…
一週間後、Queen号は新たな街に辿り着いた。
「着いたーっ!」
大きく伸びをするレキに続いて、私も大地を踏みしめる。
視界に飛び込んできたのは…新たな世界。
「わぁ…っ!」
思わず声を上げた私の隣で、ニーナが小さく笑う。
「ララ、こうゆう街見たの初めて?」
「うん!…すごい、海の上に街があるみたい…」
"水の都"と呼ばれているらしいこの街の名前は、リティラ。
「…実際、海の上にあるんだけどね」
ゼンの言葉に、私は視界をぐるりと街全体に巡らせる。
道と道の間は、地面じゃなくて海。
地面は最低限の建物の周りしかない。
海の面積の方が、大きいんじゃないかな。
行き交う人々の交通手段は、小さな船だった。