紺碧の地図
「あ、会うって…そんな簡単に会えるの?」
「もちろん。英雄は相手を選ばないから」
そんなこと言われても…
「面白そーじゃん。俺、そいつらの顔見てみたいけど」
返事を渋っていた私に、レキが楽しそうに言った。
「大丈夫!何かあったら、俺が守っ」
「ララ、あたしも見たいから一緒に行きましょ」
「おまっ、ニーナ!俺のかっこいいセリフに被せるなぁ!!」
レキを無視して歩き始めたニーナに手を引かれながら、私はまだ躊躇っていた。
今まで、"ラー"にいい記憶がないからかな。
…どうしても、恐怖を感じちゃう。
それにこのまま進んだら、何かが変わってしまうような、そんな気がするの。
「…大丈夫だよ」
背中にかけられた言葉に、私は反射的に振り返る。
「俺が、いるから」
そう言って微笑むゼンを見て、私は胸が苦しくなった。