紺碧の地図

「あ、会うって…そんな簡単に会えるの?」


「もちろん。英雄は相手を選ばないから」


そんなこと言われても…


「面白そーじゃん。俺、そいつらの顔見てみたいけど」


返事を渋っていた私に、レキが楽しそうに言った。


「大丈夫!何かあったら、俺が守っ」


「ララ、あたしも見たいから一緒に行きましょ」


「おまっ、ニーナ!俺のかっこいいセリフに被せるなぁ!!」


レキを無視して歩き始めたニーナに手を引かれながら、私はまだ躊躇っていた。


今まで、"ラー"にいい記憶がないからかな。


…どうしても、恐怖を感じちゃう。


それにこのまま進んだら、何かが変わってしまうような、そんな気がするの。


「…大丈夫だよ」


背中にかけられた言葉に、私は反射的に振り返る。


「俺が、いるから」


そう言って微笑むゼンを見て、私は胸が苦しくなった。



< 437 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop