紺碧の地図
「ジークフェルト!久しぶりだな」
船長の笑顔は、私たちを目にした瞬間、凍りついたように見えた。
…それは、私も同じだった。
ジークの本名を呼んだからとか、そんなんじゃなくて。
その彼の雰囲気に、私は見覚えがあった。
今この状況が理解できなくて、言葉が出ない。
ただ一つ、わかるのは。
―――目の前にいるのが、私が捜し求めていた彼だということ。
そんな、まさか…
「―――――サン」
私が彼を呼ぶ前に、隣にいたゼンが声を上げた。
その言葉に驚いて、私はゼンを見た。
その視線は、真っ直ぐに彼を見据えていて。
"サン"って…ゼンのお兄さんの名前でしょ?
違うよ、この人は…
「―――久しぶり、ゼン」
え…?
訳が、わからない。
だってあなたは…
「…っ、ロジーでしょ!?」
私の言葉に、彼は…冷たく、笑った。