紺碧の地図
◆◆◆
ふわり。
鼻に届いた香りに、安心する。
この香りを…私は、知ってる。
そう。
これは、私の大好きな―――…
「―――あ、起きた?」
うっすらと瞼を開けると、飛び込んでくる鮮やかな世界。
海の中しか知らなかった私は、まだ戸惑うときがある。
「………ジーク」
ぼんやりとしたまま、近くにいたジークの名前を呼んだ。
ジークは微笑んで、私にカップを差し出す。
「ほら、温かいから。飲みな」
「…ありがとう」
カップを受け取った途端、手のひらから熱が伝わる。
その温かさに、急に泣きたくなった。
「…ララ、平気か?」
「え?」
少しドキッとしながらも、眉を寄せるジークを見た。