紺碧の地図
「その子を励ますことで、俺もまた頑張ろうと思えた。…だから、ある約束をした」
「…約束…」
ララが、大事にしていた約束。
お互いを特別に感じたからからこそ、紡がれた約束。
「俺は、いつか必ずララを迎えに行く。だから、ララは待っててくれ、って」
…その約束は、もしかしたら今日、果たされたのかもしれない。
けど。
「…サンは、ララを迎えに行こうとしたのか?」
結局ララは待ちきれずに、危険な思いをしてまで、約束の場所から飛び出した。
その結果が、今日に繋がる。
「…してたよ。ほんの少しの間だけだったけど」
サンは苦笑すると、続けた。
「それから俺は、いろんな人生を歩んだ。…忘れてないよな?ゼン」
不意に鋭い視線を向けられ、身体が強張る。
サンの気迫から、サンの強さが嫌という程伝わってくる。