紺碧の地図
◆揺れる、想い
…夢、なのかな。
そう思って瞬きを繰り返すけど、目の前の光景は変わらない。
ゼンとサンが、真剣な顔で向かい合っていて。
その二人の間を、風が不規則に通っていく。
夢じゃなかったら、私の耳が悪いんだ、きっと。
だって、サンがやっぱりロジーだったとか、そこは信じられるけど。
…サンの私への想いとか、ゼンの…想いとか。
私には、簡単に信じられないよ。
知らない間に速まる鼓動に、私は喉を鳴らした。
一気にいろんなことを聞きすぎて…どうしても夢なんじゃないかと思ってしまう。
静かな空気に、僅かな緊張が感じられる。
黙っていたゼンが、口を開いた。
「―――どうして、そう思った?」
その言葉に、サンが笑う。
「はは、分かるよ」
納得いかないのか、ゼンが顔をしかめると、サンは続けた。