紺碧の地図

「…ララは、人魚の神の子なんだろ?」


サンに突然そう言われ、私は目を見張る。


「え…何で…」


「俺たちの戦いを止めようとした時、力使ったのが分かったから」


「………」


すぐに見抜かれたみたいで、私は驚きを隠せなかった。


そんな私に、サンは少し迷う素振りを見せたあと、口を開いた。


「ララは人魚で、神の子。狙われるには十分すぎる」


…そう。

私は、狙われやすい立場にいるらしい。


けど、とサンが続けた。


「自分で言うのもなんだけど、俺たちは強いよ。"ラー"というだけで、襲われる頻度も少ない」


「………」


「ララは俺たちといた方が、絶対安全だと言い切れる自信がある」


真剣なその瞳に、心が揺れる。


かと思えば、サンはおどけるように笑った。


「…なんて、俺ズルいよな。いくら、ララについてきて欲しいからって」


…その笑顔も、サンの優しさなんでしょ?


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