紺碧の地図
◆決断のとき
「んララちゃ―――――ん!!」
「避けてララッ!!!!」
ドカッ!と鈍い嫌な音が響く。
「あ…ごめんレキ」
見ると、見事に扉にぶつかって伸びているレキの姿。
丘から帰ってきた私は、ジークの家の扉を開けた。
その瞬間、レキが目の前に迫ってきていて。
思わずニーナの声に従って避けた結果が…
「ううう…ララちゃんひでぇ…」
コレです。
ごめんレキ…たんこぶが痛そう…。
「いいのよ、ララ。もっと哀れんであげて」
「え…」
「っはー!? ふざけんなニーナてめぇッ!」
いつものように、ぎゃあぎゃあとケンカし始めるニーナとレキ。
その光景を見て、視界が緩んだ。
「ちょ、聞いた!? ララ!こいつあたしのこと―――…」
「…ララちゃん?」
二人の驚いた表情が目に入り、私は頬を伝う涙に気付いた。
「…どうしたの?」
ニーナが、そっと私の頭を撫でる。
その優しさが、今は何故か辛かった。