紺碧の地図
「―――ララ!?」
どんどんと扉を叩く音に、私は体を跳ね上がらせた。
「ララ!? どうしたの!?」
扉の向こうから、ニーナの焦りを含んだ声が聞こえる。
私は慌てて涙を拭い、扉に駆け寄って鍵を外した。
「あ…おはよ、ニーナ」
「何!? なんともないの!?」
がしっ!と両肩を掴まれ、前後に揺さぶられる私。
何か言いたくても、舌を噛みそうで口を開けずにいると、助けの声がかかった。
「…ニーナ、ちょっと落ち着けって」
ゼンが腕を組みながら、呆れ顔でニーナに言った。
その声に反応して、ニーナの動きがピタリと止まる。
「わ、ごめんねララ」
「…だ、大丈夫」
何とかそう言うと、ニーナの横にゼンが並んだ。
「…で、何が起きたの」
ゼンの鋭い眼差しに、うっ、と私は言葉を詰まらせる。