紺碧の地図
これだけは言える。
…ララは俺たちに、光を与えてくれる存在だった。
「ぬ―――――…」
何度目かわからないレキの呻き声に、俺は何度目かわからないため息をつく。
「…みんな、もう切り替えよう。ララは戻って来ない」
そう呼びかけても、僅かに顔を上げる者が数名いるだけ。
どうしたものかと思っていると、レキが口を開いた。
「お前は平気なんだな、ゼン」
「…は?」
軽蔑でもしているような視線に、眉をひそめる。
「ララちゃんのこと、仲間だと思ってなかったのかよ」
「…思ってるよ」
「じゃあ何でだよ!なんで無理やり連れ返さないんだよ!」
「ちょっと、レキ!」
ニーナの制止に、レキは一瞬ニーナを見て、すぐに俺を睨んだ。
「ララちゃんが…ララちゃんが好きなんだろ!?」
「………」
俺は答えずに、レキを見つめ返す。
悔しさと悲しさが入り交じるその表情を見て、
「…平気なわけ、ない」
そう、呟いた。