紺碧の地図
◇Ending
―――――三年後。
「~♪」
波の音が、心地よく耳に響く。
その音に合わせて、私はあの曲を口ずさんでいた。
「♪~…」
背後の気配に気づき、口を閉ざす。
振り返ると、愛しい人が微笑んでいた。
「…夢紡ぎの唄?」
「よく覚えてるね、ゼン」
あれはまだ、出逢って間もない頃。
初めての旅立ちの日に、私はこの唄を歌った。
まだ知らない未来に向けて、夢を紡いでいけるように願う唄。
冒険は、まだ終わらない。
今までいろいろな土地や人に出逢い、たくさんのことを学んだ。
でも、それはまだ世界のほんの一部で。
私の知らないセカイが…この先も待ち受けている。
「あれ、お二人さん…もしかして密会中?」
「密会もなにも、二人は恋人同士でしょ。バカレキ」
夜空の月に照らされて、レキとニーナが現れた。
レキの言葉に、思わず私は苦笑する。