紺碧の地図
"やめて"
…そう言いたいのに、言えなくて。
彼の背中が、とても逞しく見えたから。
もしかしたら…って
思ってしまった。
私を追っていた海賊は、五人だった。
その五人は、私を見て歓喜の声を上げたあと、私の前に立ちはだかった少年を睨みつけた。
「…んだぁ?おめぇ」
海賊の低い声に、彼は返事をせず、ただ剣を構えた。
その行動に、五人はそれぞれピクリと反応する。
「…オレたちとやろうってのか?」
そのうちの一人が、剣を構えて一歩前に出た。
「…この子が何で追われてるのか知らないけど。…黙って見過ごすわけにはいかないんでね」
「ハッ。ナイト気取りかよ」
彼の言葉を、海賊たちが嘲笑った。