紺碧の地図
…海賊、だって。
けど。
私を…護ってくれた?
…ってことは…
瞬く間に、彼は海賊たちを倒してしまった。
海賊たちは呻き、傷口をおさえながら逃げ去った。
長剣を鞘に収めた彼は、私の方を振り返る。
「…もう平気じゃない?」
近づいてくる彼を凝視しながら、私は尋ねた。
「あなた…もしかして、"ルナ"?」
この世界に存在する、二種類の海賊。
"ラー"と"ルナ"。
私を追いかけていたのは"ラー"。
でも、目の前にいるのは…。
「…まぁ、そういうことになるかな」
私の目の前で止まった彼は、「―――で?」と言って続けた。
「何で追われてんの」
あまりに率直に聞かれ、私は怯んだ。
自然に、目が泳いでしまう。