紺碧の地図
燃え盛る炎。
倒れている人々の…血。
「ただ静かに涙を流す私のところに、お父さんとお母さんは来てくれた」
二人とも、ボロボロなくせに。
私の心配ばっかりするんだ。
安心したのも束の間、私は現実を甘く見ていたことを悟った。
「…刃が、お父さんを貫いたの」
あまりにも一瞬で。
あまりにも突然の出来事。
私はただ、見ていることしか出来なかった。
「…お母さんがね、逃げなさいって言うの。私の背中を、押したの」
瞳いっぱいに涙を溜め、私はお母さんを振り返った。
そのとき。
お母さんの瞳が見開かれた理由は、すぐあとに知ることになった。
「私を狙った海賊が、駆け寄って来てた。お母さんは私を庇って…斬られた」
この世の全てを、呪いたくなった。
―――どうして?
真っ赤に染まった床を眺めて、私はそう思った。