紺碧の地図
「え―――っと…」
もごもごと口を動かす私に、彼は怪訝な顔つきを向ける。
「…あいつらから、何か盗んだとか」
「―――ち、違いますっ」
「じゃあ何」
うう…。
彼は海賊でも…"ルナ"。
言っても…大丈夫かな?
助けてくれたし…。
色々考えた末、私は決心した。
きっと、彼になら言っても大丈夫。
根拠のない自信なんだけど。
私が、"ラー"に追われていた理由。
それは―――…
「…私、人魚なの」
そう。
私が、人魚だから。
「………」
彼は、驚いた顔で私を見た。
…当たり前だよね。
人魚なんて、滅多にいないから。
…だから、狙われたりするんだけど。