紺碧の地図

「え―――っと…」


もごもごと口を動かす私に、彼は怪訝な顔つきを向ける。


「…あいつらから、何か盗んだとか」


「―――ち、違いますっ」


「じゃあ何」


うう…。


彼は海賊でも…"ルナ"。



言っても…大丈夫かな?


助けてくれたし…。



色々考えた末、私は決心した。


きっと、彼になら言っても大丈夫。


根拠のない自信なんだけど。



私が、"ラー"に追われていた理由。


それは―――…



「…私、人魚なの」



そう。


私が、人魚だから。


「………」


彼は、驚いた顔で私を見た。


…当たり前だよね。


人魚なんて、滅多にいないから。



…だから、狙われたりするんだけど。



< 9 / 545 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop