好きだと言って。


恋する痛みも
愛する悲しみも
知らないまま




あたしは

あなたがおそるおそる
差し延べてくれた
その手を


なんの迷いもなく
掴んでしまった





でも

その掴んだ手が


繋がることはなくて

重なることもなくて






ただ

あたしが
戸惑うあなたを
引っ張っていただけ







それでも




もう少しの

あたしの努力で

あなたの努力で



2人は
1つになれたはずなのに






あたしは

ゆっくりと歩く
あなたの手を








引っ張ることをやめた











その手を


離してしまったんだ








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