ヤンデレ彼氏に監禁されて



(二)


「……ん」


目覚めたくないと言う目を擦り、辺りを見回した


そのまま意識が覚醒するにつれ、起きていく


クリアになった頭


こきこきと、関節を動かす度に音がするような体の重たさ


ふあぁ、と欠伸を一つ


寝そべったまま、腕を上げて背伸びをした


朝特有の目覚め


二度寝も考えたけど、こうしてはいられない


これから、大学で講義があるんだから


無理に目覚めて、よし、と上体を上げた


とりあえずは、顔を洗おうとして



「おはよう」


「………………おはようございます」


現実を、目の当たりにする


逃避という道から引きずり戻されたよう


寝覚めは怖い

頭が中途半端に機能するものだから、夢と現実の境目が曖昧で


いつも朝やる習慣――大学に行く準備をしようだなんて思うんだから


< 118 / 270 >

この作品をシェア

pagetop