ヤンデレ彼氏に監禁されて
(二)
「……ん」
目覚めたくないと言う目を擦り、辺りを見回した
そのまま意識が覚醒するにつれ、起きていく
クリアになった頭
こきこきと、関節を動かす度に音がするような体の重たさ
ふあぁ、と欠伸を一つ
寝そべったまま、腕を上げて背伸びをした
朝特有の目覚め
二度寝も考えたけど、こうしてはいられない
これから、大学で講義があるんだから
無理に目覚めて、よし、と上体を上げた
とりあえずは、顔を洗おうとして
「おはよう」
「………………おはようございます」
現実を、目の当たりにする
逃避という道から引きずり戻されたよう
寝覚めは怖い
頭が中途半端に機能するものだから、夢と現実の境目が曖昧で
いつも朝やる習慣――大学に行く準備をしようだなんて思うんだから