ヤンデレ彼氏に監禁されて
次に、彼がすることはと言えば

鳴っているケータイをとり、通話する


「殺すぞ」


「…………」


電話に出るなり、開口一番がそれだった


日本人定番の『もしもし』じゃなく、殺害予告


目から殺意が流れ出て、声も色を付けるなら、どす黒い


苛ついているのは明白だった


「俺の言ったこと、忘れたか屑(くず)が。この番号に連絡するなと言って――なんだ?手伝えだと……。

どの口がほざく。大人しくしていろと言った筈だ、馬鹿が」


別人かと思った

でも、現実はこれ


悪徳金融を想像させる声色のくせして、マフィアのような冷静的な罵り方


「これ以上、動くな。ほとぼりが冷めるまで、慎ましく暮らしてろ。ただでさえ、生きる価値がないくせに豪勢に生きるな。

――金を使い果たしただと?飢え死ね。それか、そのフェラーリごと、海に沈めてやる、愚図どもが」


< 181 / 270 >

この作品をシェア

pagetop