ヤンデレ彼氏に監禁されて
名前を聞いた瞬間、倒れそうになった


聞きたくはない名前
会いたくはない人


でも、そんな人物だろうとも


「藤堂さん。貴女、栂と恋人関係だったそうじゃないですか。栂側から、何か接触はありませんでしたか」


私の心中を知らず、ズバズバと聞いてくる刑事――国本刑事には、憎しみすらも湧いてくる


「ありません。まったく」


簡潔に答えたのに


「本当ですか?」


疑うことが仕事である国本刑事は、納得しかねていた


「あれば、真っ先に警察に連絡します。……私と彼の仲を知っているなら、私がどれだけ彼を、嫌っているか分かりますよね」


補足した言葉に、国本刑事の眉ねが上がった


それもそうか、という心情が丸分かりであるその表情


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