小さな世界
目をつむり聞き入るおつきは、うっすらまぶたに涙をためていた。


窓辺に かわいい小鳥たちが集まりだした。


透明感のある愛ある姫の声は、聞くものを魅了させ感動させた。



部屋からこぼれる旋律に 耳を傾けていた青年がいた。

青い目のきれいな金色の髪をしていた。


彼は だれが歌っているのだろうと・・・


部屋を探しているうちにメロディーは終わってしまった。



おつきは 姫の背に向かい 、これまでの話しをしはじめた。


窓辺に立ち、静かに聞いていた姫。


下がってよいと言われ、おつきは部屋をあとにした。


塔を降りる途中、美しい青年に声をかけられた。

おつきは答えた。

「知らない。 」と。



がっかりする青年は、しっかりした足どりで 塔を下っていった。
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