我がままな王子

■ すれ違い



それから一週間が過ぎた。
私は相変わらず、まだ黒川の家来
だ。

近頃はなんだか、罵倒される日々
が続いてマス…。


「おいバカ女」

校庭を横切って教室に帰ろうとし
たら、何かが頭から降ってきた。

「…っぷ!」

それは私の頭にバサッと被さった
黒川のブレザー…。

「それ教室に持って帰れよ」

はいはい、家来ですからね。
何でも言う事聞きますよ。

でもバカ女はないでしょ!


黒川は竹中達とサッカーするらし
く、サッカーゴールの所まで走っ
て行った。

「相変わらず、仲いいじゃん!」

遠くの方で、竹中が冷やかす声が
聞こえた。

「アホか!」

黒川がすかさず、竹中のお尻に蹴
りを入れる…。

ほんとにサドだなあ…。
私はそれを呆れて見てた。
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