我がままな王子
池上君の本探しを手伝って、とっ
とと帰ってもらって、また二人き
りの時間を作ろうか…?
でもその前に休み時間になりそう
…。
昼休みか放課後に仕切りなおそう
かなあ…。
「佐々木先輩」
ぼーっと考えてたら、いつの間に
か池上君が目の前に立ってた。
「なにかな?」
「返事をせかすわけじゃないんで
すけど…先輩は僕の事どう思って
ますか?」
ちょっと!!
黒川君の前でやめてーー!!
あ、でも黒川君は聞こえてないか
…。
「僕は先輩が好きです。付き合っ
て欲しいと思ってます」
きっぱりさっぱりと言われて、飛
び上がった。
今のまさか聞こえてないよね!?
チラッと黒川君を確認してみた。
大丈夫、セーフセーフ!
「あのさ、その話はまた今度…」
「どうかしました?さっきから挙
動不審ですけど」