我がままな王子
そりゃ挙動不審にもなるよ!
好きな人の前で、他の男から告白
されるなんて。
ありがた迷惑だってば…。
「いやあの、教室に、そう、教室
に戻らないとヤバイからさ」
「もしかして」
池上君の瞳が、黒川君の後ろ姿に
止まった。
「彼氏さん…ですか?」
「えっ!?」
そうなるかもしれない所だったん
です。
…とは言えない。
「先輩付き合ってる人いたんです
か?」
「い、いや彼は…友達、だけど」
「あーーよかったぁ!」
池上君、声大きいっっっ!
黒川君に聞こえるってば!
「じゃあまだ僕は諦めなくていい
んですね」