桃、メリケンサック三連発
。。ずしっ…
座りすぎて綿の減った座布団に腰を下ろしてあぐらをかく。
桃は少し長い黒い前髪をパレッタで耳の横に寄せると遺書を開いた。
パタパタと和紙が開かれる。
数分後桃は目を点にして
父の遺影と遺書を見比べていた。
「確かに父さんのきったねぇ達筆な字…」
もう桃には誉めているのかけなしているのかさえわからない。
『今まで苦労かけてすまなかった。
これからは本家の方で幸せに暮らしなさい。 吉祥勝春』
「本家…ッ??!
本家ってこのアパートじゃ…」
桃はボロいアパートの天井を見上げる。
ぎんごーん。。
「どぉおぃっ!なんだよっ」
壁時計を見るが時間はまだ午前5時27分…
「ったく…こんな朝っぱらから…新聞屋だってインターホン鳴らさねーのに…」
桃はとりあえず立ち上がりポケットを触ってから錆びかけた鍵を開けた。
ミシミシと音を立てながら木のドアは開く。