Right Cross



一瞬、周りが静寂に包まれる




ゆっくりと足を進めるアヤにロイド達も、また襲ってきた男達も固まったように動けなかった







男の一人が呟く





「なんて…美しいんだ…」



光に包まれた彼女は、まるで神のように美しかった





アヤは前をすっと見つめると、剣を持っている右手を上げる





それを横に振った瞬間







「あ゙あ゙あぁぁぁ!!!!」






男達が叫び声をあげたかと思うと、次の瞬間には跡形もなく消えていた





魂が浄化されたかのように、そこからはサラサラと白い光が空に上がっていった






「す、すげぇ…」



シェイルが漏らした一言にはっと我に返ると、ロイドはアヤの元へ走る






「あ…アヤ………?」





「ロイド…シリア様がね、力を貸し…っ!!!!??」






答えようとした途端、胸を激しい痛みが襲う





「…っ…あぁっ……」




「アヤ!!!!」






胸を押さえ、アヤはその場にばたりと倒れた






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