Right Cross
「…そういえば。魔術師って言ったよね?今、この国には魔術使える奴はいないはずだよ…?」
「…はい。アイル陛下は、デュオスという魔術師を覚えていらっしゃいますか?」
「あぁ。5年前に封印された奴だろ、シルナ様に。そいつがどうしたって……………まさか」
「そのまさかです。どうやら奴は、封印を解いてしまったらしく…」
「ほんとに…?じゃあ、最近物騒な事件が多いのはそれが関係してんのかもしれないね…」
う〜ん、と悩んでいると
「…ロイド……」
と小さな声が聞こえた
「…っアヤ!!?」
すぐにロイドはアヤの傍に寄り、手を握る
「アヤ、俺はここにいる。わかるか…?」
うっすらと目を開き、こくんと頷いた
「良かった………」
シェイルもほっと安心したようにため息をついた
「アヤちゃん、平気…?アイルだよ。久しぶりだね」
首を横に向けると、緑色の髪と目をした青年が心配そうに見ている
「アイルくん…久しぶり。……じゃあ、ここはグリンコース…?」
「あぁ。倒れたアヤを、助けてもらったんだ。」
「そっか…ありがとう…」
「そんなのいいよ。…じゃあ、医師に念の為見てもらおうね」
とアイルが呼びに行こうとしたのを止め、私達が行きますとロイドとシェイルは部屋を出て行った