Right Cross
「アイルくん、元気だった…?2年ぶりだよね」
起き上がろうとするアヤを制し、アイルはにっこり微笑む
「…元気だよ。あん時食べたケーキ最高だったよね」
と昔話に花を咲かせていたが、ふとアイルが真剣な表情になる
「…ロイドくんから聞いたよ。災難だったね…」
アヤは悲しそうに頷く
「あのね、アイルくん。この国に宝玉あるでしょ…?どこにあるか知ってる?」
「あぁ。緑の宝石だね。あれはこっから一時間ぐらいのとこにあるよ。…なんで?」
「…あたしね、各国にある宝玉に力を込めて世界を救わなくちゃいけないの。…だから、旅してるんだ」
アイルは目を丸くする
「ただ逃げてるだけじゃなかったんだ…でも、そんな事できんの…?」
「シルナ様がね、力を貸してくれたんだ…」
アイルは思った
やっぱりアヤは、神であるシルナにどこか近い存在なんだな…と。
「…そっか。俺、応援してるから。」
そう言って頭を撫でるアイルに、嬉しそうに微笑んだ
そういえば。
思いついたようにアイルは言った
「…ロイドくん。確か専属騎士だよな?…前いたっけ?」
「うん。小さい頃からね。…確かあの時はちょうどロイドが風邪引いて寝込んでたの。だから逢ったことなかったんじゃない?」
なるほど…と頷く
「…アヤちゃんは、さ…」
「ん?」
「ロイドくんのこと、好き…?」