Right Cross
「え………?」
何言ってんの!と笑おうとしたが、アイルの顔が真剣だったので言えなかった
「な、なんで……?」
「ん?…いや、やっぱいいや。ライバルがいた方が燃えるしね。気にしないで?」
とウインクしたアイルに、アヤははてなマークでいっぱいだった
その頃―――――
医師を尋ね、一時間後にまた行きますと返事を受けた二人は長い廊下を歩いていた
「いいのかよ。二人っきりにしちゃって」
ちらっとロイドを見る
相変わらず不機嫌だ。
「久しぶりの再会だったんだろ…仕方ねぇよ。」
「心広いですね〜俺だったらちょっとでも離れたくねぇけどよ」
「……………」
分かってる。
俺だっていつも一緒にいたい
この腕で抱き締めたい
でも。
アイル陛下の方が立場もいい。容姿端麗でお似合いだ
負けたくない。
アヤを渡したくない。
あぁ、もう
どうしようもねぇぐらい好きだ。
そんなロイドを見つめていたシェイルだったが、ふっと微笑むと肩をぽんっと叩く
頑張れよ、と一言だけ言った彼の横顔はどこか切なそうだった
シェイルの恋については
また今度―