Right Cross
部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、壁によりかかっている人物を見つける
「…アイル様。どうしたのですか…?」
アイルは伏せていた目を上げる
「ロイドくんとちょっと話したくて。…お茶でもしない?」
「はぁ。二人でですか?」
「そうだよ。シェイルくんは先に部屋に戻ってて?」
シェイルは何だか納得していない顔だったが、渋々部屋に戻って行った
行こうか、と二人でアイルの部屋に向かう
二人の間に、会話は無かった
部屋につきソファーに向かいあわせに座って数分。
やっとアイルが口を開いた
「単刀直入に聞くよ。好きだろ?アヤちゃんのこと」
アイルの目には確かに敵対心があり、ロイドは迷わずに答えた
「好きです。」
「そっかあ〜。でもさ、騎士でしょ君。姫との恋愛なんて出来ると思ってんの?」
馬鹿にしたようなアイルに、ロイドの頭の線がぷちーんと切れる
「…だったら何だよ。あんたは国王で相応しいだってか?そうだろうな。だけどあんたにアヤ取られるぐれぇなら、俺は先にアヤのこと手に入れる」
思わず敬語を忘れてしまったが、もう止まらない
「俺だって…!ずっと触れたくて触れたくて堪らなかった。でも騎士だからって、どこか遠慮して。でも今は違う。絶対、アヤの気持ちをむかせてみせる!」