Right Cross
―ドカーン!!!!!!!!
大きな爆発音とともに、周りの者はその力で吹き飛ばされる
砂埃がたち、辺りが煙に包まれた
その煙の中から、一つの影がゆっくりとこちらへ向かってくる
ロイドの姿を見つけたかと思うと、ぱたん…と倒れこんだ
「……っ!!」
吹き飛んだ衝撃に体を痛めながらも、その人物の元へ駆け寄る
「アヤ、アヤっ。しっかりしろ……!」
そっと抱き上げると、僅かに瞳が開いた
「…っあの人…逃げちゃった……でも、かなり怪我…してたから…」
「…っ分かったから。もう喋んな。ごめんなっ…守ってやれなくて…」
ゆっくりと首を横に振ると、剣を支えにして立ち上がる
「まだ動いたら駄目だ!」
ロイドに支えられながら、剣を高く上げ横に振ると、一瞬にして数人いた敵が消える
また前と同じように、そこから静かに光が空へと上がっていった
「ん……ちょっと…やりすぎちゃった…」
ふっと力が抜けたアヤの体を、しっかりと抱き留める
「このまま続けてって…アヤは無事でいられんのかよ…」
下を向き、声を震わせるロイドの肩をアイルがそっと叩く
「…話は後だ。とりあえず、怪我の治療をしよう」
ロイドは頷くとアヤを抱えてその場から離れた