Right Cross


「いってぇ…」


姫に殴られた頬をさすりながら歩いていると、前方から男がやってきた





「よぅロイド。あ?どーしたんだお前。その顔」



「シェイル…まぁあれだ。愛しの姫は狂暴なんだ」




そう言ったロイドに爆笑したシェイルだった





ロイドとシェイルは幼なじみで、昔からの親友だ。



二人とも騎士団を持つ優秀な騎士である







黒の短髪のロイドに対し、シェイルは金の長髪。


そんな二人はメイド達のヒロインだった








「しっかしいいよなぁ〜姫の専属騎士。俺もやりてぇよ〜」



「お前みたいな変態にできるかよ。…姫に手出すんじゃねぇぞ」





ぎろっと睨むロイドに両手をあげ降参のポーズ。





「へいへい。…まぁでもよ、お前に隙ありゃ俺もいくからな。本気で」





じゃあな、と去って行ったシェイルの背中を見つめ一言。







「俺の敵は多いなぁ、姫。」






ロイドは口端を上げ、ゆっくりと歩いて行った




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