【短】6秒-ロクビョウ-
その日は、友達の家に泊めてもらった。
もちろん賢悟と面識がない友達。
何度も何度も
賢悟からの着信があったけど、メールはなかった。
家を出て一週間。
賢悟と共通の友達に協力してもらって、賢悟を誘い出してもらった。
その間に私は家に戻り荷物をまとめる。
この部屋は賢悟が借りてくれた部屋だった。
「俺は男なんだから、部屋くらい俺が用意するよ。」
荷物をまとめながら、同棲する事を決めた時の賢悟の言葉を思い出した。
止まっていたはずの涙がまた流れた。