【短】6秒-ロクビョウ-
たった1年ちょっとだったけど
たくさん賢悟との思い出がつまった部屋。
まとめるたびに涙が流れる。
荷物をまとめ終わった頃には、涙で顔はぐちゃぐちゃだった。
テーブルに『さよなら』とメモを残して部屋を出た。
数時間後、私が出て行ったと気づいた賢悟から
何度も着信が来たけと、この1週間と同じ様に無視をした。
私は会社の寮に入る事が出来て、困る事はなかった。
出ていってから2週間たっても、賢悟の電話はやまなかった。
やまないまま1ヶ月が過ぎた頃だった。