flower music
強制的に東京へ帰らされた時、









向日葵だけはどこかに隠れていたらしく、









私達は見つかりまた東京の窮屈な暮らしが始まった。









それから11年――









今こうやって成長した娘を眺めている。









よかった無事で………








せめてこの子だけは幸せになって欲しかった。









夫のためにも撫子のためにも……そして私のためにも。









私は外に出て泣いた。








何で幸せにしてあげれなかったんだろう……?









私はいつだってあの日を後悔してた。









その時、









『泣いたらダメよ、花梨。』









と言う声がした。









< 185 / 400 >

この作品をシェア

pagetop