flower music
あたしは泣いた。





声を押し殺して泣いた。




外には海斗がいるから。





あたしは本当に泣き虫だね。





3歳の時、家族がいなくなって泣いてばかりいたあたしを、





海斗は優しく傍にいた。




参観日の日、





『海斗は家族がいなくなった事を覚えてないけど、あたしは覚えてるんだよ!!!』って言った。





本当は少し覚えていたんだよね。





あたしは何度人を傷つければいいのかな?





海斗を、









苦しめたい訳じゃないのに。





ただ、

傍にいたかったのに。




気がつけば空は真っ暗。





そしてあたしはそのまま眠りに着いた。




まるで、









現実から逃げるように。



< 341 / 400 >

この作品をシェア

pagetop