flower music
次の日、俺は頬の痛みを感じながら起きた。


『海斗君?』


『………咲田?』


『やっと起きたか。玄関の鍵が開いてたから、泥棒に襲われたかと思った。』


『もっとも、泥棒の方が酷い目にあいそうだけど……。』


まぁ俺と向日葵がいたらな。


てか、


『今何時だ?』


『朝の10時。』


なら向日葵も起きてるはず。


俺はそっと、扉のノブを回した。


ガチャッ。



『……………何だよ、これ。』



部屋はありえない程に荒れていた。



至るところに傷ができてた。


そして、



窓ガラスに割れた痕跡が残ってた。



『……随分、荒れたみたいね。状況的に喧嘩でもしたの?』


『……ヤバい。』


『え?』









『向日葵の身がヤバい!!!!』



『ちょっ何で?』


『まず1つ。
昨日の朝、向日葵の部屋に入った時には全然荒れてなかった。

2つ。
入り口はあそこの扉しかない。なのに、向日葵がいなくなってる。』


『でも、喧嘩をしてムカついて部屋を荒らしまくった。それで窓から慌てて逃げた。そう言う可能性はないの?』


『それはない。窓はお互いの部屋を行き来するのには使ってるけど、下には瓦礫があるんだ。


いくら何でも、裸足では降りれない。


そして4つ目。


こんな物が落ちてた。』


俺は拾ったものを持ち上げた。


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