flower music
『薬と手袋……それに写真?』


部屋の隅に、転がるように落ちていた。


『薬の中身は、睡眠薬。手袋は……顕一なら分かるよな?』


『ああ。それ、執事用の手袋だ。』


『執事用の?』


『ああ。俺も同じ物を持ってるからな。』



そう言って、顕一はポケットから同じ物を取り出した。



『………嘘。』


『分かっただろ?


部屋の荒れ具合。行方が分からない向日葵。睡眠薬の殻。執事用の手袋。そして……写真。』


幼い男の子と女の子が写った写真。


『見た感じ、女の子は向日葵みたい。って事は男の子は海斗君?』

『嫌。俺はこっち。』


と俺は隅にいる男の子を指した。


『じゃあこれは誰?』








『……日向だよ。』


『日向?』


『俺達は、日向の六歳の頃、会った事があるんだ。それはその時の写真。』


多分、向日葵を誘拐したのは日向。



『………絶対許さねえ。』


『もしかして百合花。あの事で……?』


『多分………。』


『何だよあの事って。』


『海斗君は知らないでしょうね。』


そう言って、咲田はある雑誌を見せた。
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