flower music
「・・・・・。」





「さっき渡されたミルクティー。あたしのだけ、砂糖が一つ多かった。





あたしがいつも砂糖を二つ入れるんなんて・・・・










海斗しか知らないの!!!」






「・・・・しくったな。いつものくせで、向日葵のだけ追加したんだ。」





そういって、使用人の人は眼鏡を取った。





そこに写るのは、





愛しい海斗の姿。





「・・・・何で来たの?」





「そんなの。言わなくても分かるだろ?」





「あたしの事は・・・構わないでって・・」





「それが出来たら苦労はしなんだけどな。」




そう、哀しげに笑った。





「・・・・・聞いたよ。俺の秘密。」





「嘘・・・。」





「俺、財閥の御曹司だったんだ。」





「・・・・・。」




「それで脅されてたの?」




「違う!!あれはあたしの望み・・」




「俺は知ってたよ。




・・・向日葵も、財閥のお嬢様だって。




だから、





せめてばれるまで一緒に居たかったんだ。




守り抜きたかった。



最初は、光輝さんに頼まれた義務だった。



だけど、



今は俺の本心で



お前の側で、笑顔でいたい。」




そう、海斗は静かに抱きしめた。



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