flower music
『泣けよ。泣きたいんなら。』



『………イヤ……。』

イヤ。

全てが嫌。


『嫌ぁ………。』


お願い、海斗。



あたしから離れないで。


あたし、弱いんだよ?


海斗がいなきゃ、



何にも出来ないよ……。


『向日葵。』


『……ん?……』


『笑顔でいよう。』


『笑顔……で?』


あたしは海斗の方を見た。


大人びてるけど、小さい子供みたいな瞳で見つめる海斗。



『思い出をいっぱい作ろ。

そしたら、


別れだって少しは楽になるから。』


『………バカ。』


別れが軽くなるなんてない。


だけど、



『あたしは、海斗と笑ってたい。』


海斗は静かに頷き、



その誓いのサインかのように、









そっとキスを落とすのであった。



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