春の終わる日
春の終わる日
 この春に地元の高校を卒業した僕は進学も就職も決めずに毎日だらだらと過ごしていた。


 特に希望もなく、漫然と自堕落に過ごしていた僕に危機感を覚えたのは当の本人である僕ではなく僕の両親だった。

 僕の両親はなんでもいいから何かさせるべきだと思い始めたようで伝手で丁度空きのあった市立図書館のバイトを僕に与えた。



 両親は「何かすれば将来したいことが見えるかもしれないし何か役に立つかもしれない」なんて言葉を添えて勧めてくれたけど僕にはそんな感慨はなく。

かと言って断る理由もなかったのでそのバイトに就くことにした。
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