春の終わる日
 梅も咲き終わりいよいよ桜の季節を目の前した春の入口。



 図書館のバイトの時間より少し早めに出た僕は少し寄り道をして図書館の近くの桜並木の通りに来ていた。

 見上げれば桜のこげ茶色の枝が無数に分岐し広がって空を覆っている。

 枝の至る所に付いた蕾は綻ぶのを今か今かと待っているようだ。



 桜の木の根元に置かれたベンチに座るとショルダーバッグを開き白い洋封筒と取り出す。

 ずっとバッグに入れっぱなしだったから角が少しヨレて汚れていた。
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